購入履歴:ニッポン放送 オールナイトニッポン55周年記念公演「あの夜を覚えてる」

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今回は「購入」ではなく「鑑賞」なお話。”鑑賞チケットを購入した”という捉え方で。
ニッポン放送のオールナイトニッポン55周年記念公演ということで行われたオンライン配信舞台?ドラマ?な企画「あの夜を覚えてる」。本日2回公演の1回目が行われ鑑賞しました。今回はこの作品の話とオンライン配信の話を書こうと思います。

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まずは作品の話。・・・といっても、詳しい内容や良かったシーンなどはネタバレになるので、この企画自体について書こうと思います。ただひとつだけ内容で書くとしたら、リアクションメールを読んだときの藤尾さん(役の千葉雄大さんの演技)が(おっと、ここまで!)この公演はただの演劇ではなく、実際のニッポン放送の局内を使ったリアルタイム進行なシチュエーションドラマ。千葉雄大さん演じる藤尾涼太が出演するラジオ番組「藤尾涼太のオールナイトニッポン」の番組オンエア+その前後の時間で起きる出来事を、髙橋ひかるさん演じる局員上村杏奈を中心にリアルタイムでかつライブで展開されるという、ただでさえ一発撮り的な企画をライブで、しかも2時間(途中転換や幕間的に事前撮影パートもありましたが)という長尺。総合演出担当の佐久間宣行さんがテレ東でやった一発撮りシチュエーションコメディの「ウレロ」シリーズを思い出しましたが、それよりも過酷な企画ですよね。長時間ですし、しかも生!

一つのスタジオ内ではなく実際の局内の施設あちこちを使う+リアルタイム配信という条件下で、複数のカメラを使ってきちんとカメラ割されたスイッチング。カメラマンさんや音声さんがどうしてもガラスに反射して映ってしまったりスタッフさんが見切れたりした場面は幾つかありましたが、長い時間でもシーン割をうまく使っていたと感じました。かなり考え工夫されたかと思います。ただ、ビル内の狭い通路や部屋の中をでかいハンディーで局内を動きまくる演者さんを追うのですからカメラさんも大変だったかと思いましたが、もう少しカメラ据え置きのシーンを多めにして、動きのあるシーンはジンバルでも用いて少し揺れの少ない画でもよかったかなーと感じました。

また、前半と後半でドラマ内で長めの時間的経過が発生=幕間として挟み込まれた動画も、たんなる幕間ではなく、そこもきちんとストーリに絡めてくるという演出。そのストーリーの設定が現実の事情をうまくからめて「あっぱれ!」でした。詳しく書きたいのですが、ネタバレになるので…あとは演者さんの凄さですね。ラストの藤尾涼太の山場のシーン。役者さんなので演じることのプロなのでしょうが、リアルタイム進行かつライブで配信されている中で「あの状況下のあのタイミングであの演技」が!と千葉雄大さんの凄さに圧倒&涙しました。おっと、、、

いや、内容に基づいてあれこれ書きたいのですが、ネタバレになるので書けない!じれったい!!もしこの投稿を2022年3月27日より前に読んでいるラジオ好きな方には是非観てほしい公演でした。

あ、そうそう。オンライン配信って、油断してついつい飲み物を普通に飲んじゃいますね。途中トイレに行きたくなって大変でした。トイレ休憩ということで前半と後半の間に幕間の時間がありましたが、前述のとおりこの幕間の20分弱にもコンテンツを挟んでくるので…トイレに行った数分間はアーカイブで観よう。。

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さて、代わって今度はオンライン配信について小並感ですが少々。
#「配信」自体にオンラインの意味合いも含まれているので『頭痛が痛い』的な表現な気がしますが、いったん気にしないことに。

演劇は好きですが、なかなか劇場に足を運ぶ機会もなく…今回もオンライン配信でなかったら観ることはなかったと思います。生でみる舞台、そこには独特の臨場感があるのは間違いないと思います。ただ、配信というツールが今までなかっただけで、映画やドラマ、スポーツやアニメなどのように「テレビで観るコンテンツ」と同じように演劇や(音楽の)ライブその他の様々な公演系(特にそれほど大きくない小屋で行われるような規模の)エンタメが、コロナ禍にともなって前からもあったオンライン配信という方法で提供されることがネットやスマホの普及が様々な世代や家庭内で進んだ背景のもと「オンライン会議」「オンライン授業」などとあわせて一気に普及したおかげで手軽に観られるようになったことは、観る側としては良いことだと思います。

もちろん、演者さんやスタッフさんなど公演を運営する側の苦労は通常の公演開催とはまた違ったご苦労があるかと思いますし、やはりオンライン配信というありかたに対してよく思っていない方もいるかと思います。

ただ、ここ十数年でYouTubeをはじめとする「オンラインで動画を観る」というエンタメの享受方法が一般的になったのも事実。やはり時代は変わっていくものなので、守っていく部分は守りつつも、今、そしてこれからのライフスタイルの変化にあわせた楽しみ方があっても全然良いと私は思います。かつて電波配信という技術がなかった時代からラジオという音声コンテンツ配信の仕組みが生まれ、やがて映像付きのテレビというエンタメが生まれました。今のオンライン配信というのも、昭和30年代?に街頭テレビに群衆が群がっている状況と、ある意味同じかと。

とは言えども、やはり直接会場に足を運び、直接見て、時に声を出して、舞台と観客席がリアルで一体となって楽しむことは変わらないし無くしたくない。生で役者さんの動きやスタッフさんの作り出す演出を感じる事ができる時が早々に来ることを願いつつ、この投稿を締めたいと思います。

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こういうのを観ると『ストーリーのある作品づくり』魂がくすぐられますね。クリエイターの端くれとして、そして元演劇部兼映画部として。

せば。

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オールナイトニッポン55周年記念公演
ニッポン放送から生配信で贈る舞台作品!

“君が踊り、僕が歌うとき、新しい時代の夜が生まれるー”
1967年のとある夜に始まった「オールナイトニッポン」。
楽しかった夜、寂しかった夜、不安な夜。
どんな夜もラジオから聴こえてくる声は、すぐ側にあった。
2022年。55年の月日が経ったある夜。
今宵も「オールナイトニッポン」の放送が始まる。
キューが振られ、パーソナリティがカフを上げれば、
真夜中のブースが、ラジオの前のあなたと繋がる。
しかしその番組には、誰にも言えない秘密があったー。

舞台は有楽町、深夜のニッポン放送。
すべてのラジオリスナーに贈る「あの夜」の物語。

オールナイトニッポン55周年記念公演「あの夜を覚えてる」
詳しくはこちらで。

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